スペシャル

第4話「暗躍」

「どう? マウラベーラ。何かわかりそう?」
「そうですね…これは古代に用いられた封印であることはわかりました。しかしその時代のどれに該当するかは…もう少し時間がかかりそうです」
「それさえわかれば解除できるんですね…」
「すげえ、もうそんなことまでわかるんだ…」
「あまり根を詰めすぎてもよくないわ。ねえ、せっかくだからみんなでお茶しましょう。お二人のお話、聴かせてもらいたいな。いろいろ冒険してきたのでしょう?」
「あ、はい! 喜んで!」
「ふふ、それじゃあ中庭に用意してもらいましょう」
「お姫様とティータイムなんて…夢みたいね」
「そんな大げさなものじゃないわよ。ほら、マウラベーラも」
「いや、ダメです。マウラベーラは私の執務室に来るように」
「げっ!ウプウアウト様!」
「まあウプウアウト。怖い顔して…そうだ、貴方もご一緒にいかが?」
「姫様、失礼ながらマウラベーラには少々お話がありまして、せっかくなのですがご一緒できかねます。御許しを」
「そう…残念です」
「あわわわ…」
「これは…お小言かもな。この感じはわかる」
「あなた慣れてるものね…」
「それじゃあ私たち3人で中庭に行きましょう」


……
…………

「失礼しま~す……誰もいない…そりゃそうよね。今はみんな中庭だもの。まさかこんなに早くチャンスが来るなんて」

メイドは封印の本をそっくりな本とすり替えた

「はい、任務完了。暗殺とかはさすがに無理だけど、この程度ならチョロいわね」

そんなことは露知らずなマウラベーラ

「ガーミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミミガミ」
「しゅん…」

つづく


【アリババと王たちと封印の本】

■ 第1話「ある日、ある書店にて」
■ 第2話「王宮の術師」
■ 第3話「砂漠の姫、復讐の魔神」
第4話「暗躍」
■ 第5話「いま、解かれし封印」
■ 登場人物紹介(相関図)


【ネイトとネクベトのこの人ってどんな人?のコーナー!】

① アリババ
② モルジアナ
③ シーリーン
④ マウラベーラ
⑤ ネクベト
⑥ ウプウアウト
⑦ ラー
⑧ シャイターン