スペシャル

第2話『初仕事とお久しぶり』

〜カマリの屋敷〜

コンコン

「カマリおにーちゃん、
ポルカ来たよー!」
「どうぞ、入ってください」
「失礼しまーす」
「クラビのお菓子は
美味しかったですか?」
「うん! とっても美味しかったよ 
あのね、あのね 
リンゴのタルトが一番好き!」
「ふふ、それはよかったですね」
「お嬢様のためなら
いくらでも焼きますよ!」
「クラビ……顔が緩んでるよ
褒められて嬉しいのは
わかるけどしゃんとして」
「いやあ……お嬢様が今日も
世界で一番可愛い天使だなあと思ったら
顔も緩んでしまうよ」
「はあ……気持ちはわかるけど……
それと旦那様
ニコニコしていないで
そろそろ本題に入ってください」
「……エルハはいつもクラビに
対して不敬だと叱りますが、
君もなかなか……」
「こほん……
ポルカ、先ほど僕に
手紙が届いたのを
覚えてますね?」
「うん!お勉強の時間に
届いたお手紙だよね?」
「ええ、その手紙は
パーティの招待状だったんです」
「カマリおにーちゃん、お仕事……?
……はっ!
大丈夫、ポルカ寂しくないよ
お留守番できるもん」
「いいえ、今回はポルカが
招待されているのですよ」
「え? ポルカが?」
「先方から皇子となったことへの
お祝い、とのことです」
「ポルカはお勉強も
頑張っていますし
そろそろ皇子としての仕事を
頼みたいと思っていたので」
「ちょうどいいタイミングでは
あるんですよね」
「はじめての皇子としての仕事……
お願いできますか?」
「……!
ポルカも立派な皇子だもん!
どーんと任せて!」
「ふふ、では今日から
テーブルマナーを
練習しましょうか」
「クラビ、そういうことなので
テーブルのセッティングを
お願いできますか?」
「はい、旦那様の仰せのままに」
「……」
「……ポルカ、先に食堂へ
向かってもらえますか?
どうやらクラビは僕に
話があるみたいなので」
「はーい!
クラビ君、食堂で待ってるね!」
「はい、すぐに参りますね」

ぱたぱた

「旦那様……お嬢様に危険は
ないんですよね?」
「はい、表向きは
普通のパーティです
……内情は、
ドロドロとしていそうですが」
「さすがに招待しておいて、
無体なことはしない……
と信じています」
「……お嬢様が
泣くようなことがあれば、
いくら旦那様であろうと、
俺は許しませんからね」
「肝に銘じておきます
僕もあの子を泣かせたいわけでは
ありませんから」
「それに……
保険も呼ぶ予定ですから」
「ああ……あのお方ですね」
「ごめんなさい、
個人的に不安指数が
ぐんと跳ね上がったんですけど」
「え、フェルグ様……はさすがに
無理としても
あのお方ですか?」
「適材適所ですよ
いい機会だと思いますし」
「旦那様の仰せのままに」
「旦那様がそうおっしゃるなら……」

数週間後


〜カマリの屋敷〜

「おにーちゃん、見て見てー!
新しいドレス、可愛いでしょー?」
「ええ、とても可愛いです
似合ってますよ」
「ふふーん!
ちょっとおねーさんっぽい
ドレスなんだよー!
エルハちゃんと
一緒に選んだんだー」
「落ち着いた色合いで素敵ですね」
「クラビに任せたら
甘い色合いばかり選ぶので
皇子としての初仕事ですからね
少しの背伸びはアクセントです」

カランカラーン

「おや……来ましたね
ポルカ、一緒に来てください」
「はーい
護衛の人、だよねえ?」
「はい、そうです
君も知ってる人ですよ」
「お邪魔しています、カマリ
ポルカも、お久しぶりです」
「アルカおねーさん……
えと、お久しぶり……です」
「そんなに緊張しなくていいですよ
アルカは優しいですから……
ちょっとその……
クールなだけで」
「ポルカ、貴方の護衛を
任されました
道中の安全は保障します」
「うん、よろしくね」
「では……アルカ、この子を
お願いしますね
諸々と……」
「はい。任務は遂行します
……万事恙なく用意しています」
「頼もしいですね
ポルカ、君ははじめてのお仕事を
楽しんでくださいね
あまり気負わずに……」
「それに、カスターもいるから、
平気ですね?」
「うん、大丈夫!
行こっアルカおねーさん」
「ポルカ走っては危ないです」

馬車に乗り込む二人

「カマリおにーちゃん、
いってきまーす!」
「はい、いってらっしゃい」

ガラガラガラガラ
馬車を見送るカマリ

「……嫌な胸騒ぎがします
何事もないといいのですが……」

〜馬車の中〜

「……」
「…………」
「ね、ねえアルカおねーさん」
「はい、なんでしょうか」
「なんでポルカと一緒に
パーティに行ってくれるの?」
「カマリからの指令だからです」
「うっ……そう、だよねえ…… 」
(わーん、何を
話したらいいんだろ……!
クラビくーん……
カマリおにーちゃーん!!)
「……前から
気になっていたのですが」
「え、うん!
なあに?」
「そのぬいぐるみは一体……?」
「カスターちゃん?
あのね、カスターちゃんは
ポルカの家族だよ
ママが寂しくないようにって
作ってくれたんだー」
「なるほど……男の子……
であってますか?」
「うん、そうだよー!
……え、カスターちゃん
お外がどうかしたの?」
(ぬいぐるみと会話してる……
そもそも……なぜぬいぐるみが
動くんでしょうか?)
「ヒヒーン!!!」

ガタン!!!

「っ!!!
ポルカ、窓から離れて頭を
下げてください!」
「わかった!!」
(なんですか、
この殺気は……!)
「私は外を見てきます
いいと言うまで、
外に出ないでください」
「あ……アルカおねーさん!」

バタン

〜街道〜

「……」
「貴方、何者です」


【12星座の軌跡~忠誠のいて座と無垢のふたご座~】

■ 第1話『波乱の幕開け』
第2話『初仕事とお久しぶり』
■ 第3話『予想外の乱入者』
■ 第4話『いざ陰謀渦巻くパーティへ』
■ 第5話『動き出した運命(さだめ)』
■ 登場人物紹介(相関図)


【教えて!カマリさん!】

① ポルカ
② アルカ
③ エルハ
④ クラビ
⑤ パトリス
⑥ ザミエル
⑦ カマリ
⑧ フェルグ
⑨ サマカ