第5話「一件落着？」

～現場 XI-915334～

激しい光が収まると、先ほどまでの喧騒が嘘のように静まり返り、辺り一面を埋め尽くしていたモルルは跡形もなく消えていた。
ワームホールのあった場所には1匹のモルル。コアとなっていた個体がぽつんとたたずみ、やがてハッとするとどこかへ飛んで行った。

	「モルルが…いなくなってますね～」
	「よし、成功だ！」
	「ロテムやったね！」
	（ふーーーーーーーーーーーー失敗したらどうしようかと思った……うまくいってよかった……）
	「これで一件落着ですね。」
	（やっば…あんなふうに浄化術を壁にして伸ばしたり縮めたりできるもんなの？四大天ピッピの力、マジやばたにえんみね？）
	「それにしてもワームホールとはね。どうしてあんなものが…」
	「自然現象じゃあないよね絶対…」
	「うむ。人為的に起こされたと考えて間違いないだろうな。引き続き犯人の捜査に当たらなければな」
	「そうは言ってもさ～もう疲れたよ～おなかも空いたし、いったん帰ろうよ〜」
	「もうラファエルったら」
	「ふふ、そうだな。四大天使全員が本部から出払ってしまった。それはあまりよろしくはない。ここからは捜査班に任せよう」
	「お疲れ様でした。では残った皆さん、被害調査と怪我人がいれば救護に当たってください」

飛び去って行く四大天使たち。残った天使、天の協会員らは周囲の後片付けをしている。

それを遠くの物陰からじっと見ている小さな影が一つ

「実働部隊の規模、実力は把握。特に四大天使の力はやはり絶大。なおも未知数っと… 天軍と天の教会…連携も想定より早く、完全に取れてる… データ修正の必要あり」

おわり