第2話「モルル大増殖」

～現場 XI-915334～

	「もー！ ももももー！！」
	「ももー！」
	「もー、みんな、おとなしくしてくださーい」
	「わん！」
	「もっもももー！」
	「ももーも？」
	「もももーもももも」
	「ももももーももー」
	「もっももももっも」
	「ももーぅ」
	「もーもーももーももっもっもも」
	「も？ も？ ももももも？」
	「もももっも」
	「もっももももも」
	「ももーもーもーももーもももーも」
	「もももももーもっもっもっも」
	「もんもももんもーももも」
	「もんももんももっもももんももん」
	「もーももんもも」
	「ももーももっもっももっもももー」
	「も、ももももももーももももーもー」
	「ボクのお芋を取るんじゃないモイ！」
	「ももももももも」
	「ももももーもも」
	「ももももももー」
	「もんももももももーももも」
	「もももももももももももも」
	「もっもももっもももももんもん」
	「もももんもーももも」
	「ももーもっももももも」
	「ももももーもももももーもー」
	「モッモもモッモ」
	「MOMOMOーMO！」
	「ももぅももーもっも」
	「もっもももーんもんもん！」
	「だめ～きりがないぃ～」
	「くぅ～ん」

あたり一面大量のモルルがいる。寝ているもの、ぼーっとしているもの、元気に飛び回っているもの、そしてあたりの地面をかじっているもの、様々だ。
そこでは天の教会から派遣されている部隊がモルルらを捕まえようと走り回っていた。が、多勢に無勢。事はうまく運んでいないようだ。

	「ここが現場ね…どこもかしこも モルルであふれかえっているわね」
	（何か混じっていたような…？）
	「だっ！ だだだだ、大天使様！？」
	「倒してしまうのは忍びない。準備が整うまでは可能な限り戦闘不能に追い込んでおこう」
	「よーしいくぞ！ 全軍突撃だ！」
	「ちょ、ちょっと待って！まず被害の確認と…ってああもう！」
	「仕方ないわね。残った人員で周辺住民の避難、保護を！」

～天界・天軍本部～

	「さて…ヘミエルからの情報とキュリアの計算によると…この異常発生の原因はこれだね。不自然に強い力場がある」
	「ワームホールかしらね。ここから出てくるエネルギーを、どういうわけかここに嵌っているモルルが浴びているのね、きっと偶然に落ちたのか或いは人為的か…」
	「とりあえずコアとなるモルルを取り除いてから、ワームホールを封印しよう。そうすれば…」
	「だけど、いま散らばってるモルルも1か所に集めないと。」
	「うーん、そこが一番面倒くさいんだけど、それはボクらの他にも手がいるな…カプシーヌ！」
	「はい、ラファエルさま。お呼びでしょうか。」
	「ちょっと天の教会に行って、結界と浄化の術を使える人たちを集めてきて。」
	「了解いたしました。」
	「じゃあ私たちも現場に向かいましょうか」
	「そうだね。準備ができるまで、少しでもモルルの被害を抑えよう」
	「……」
	「えっ、な、なに？ボクの顔になんかついてる？」
	「いいえ。なんだかラファエルの真面目なところって久しぶりに見た感じがして、以前うっふーんとか変に色気づいて天界を練り歩いてた人物と同じとは思えないわ…」
	「ちょっと！ それはもういいから！何年も前の話でしょ！ボクだってちゃんとお仕事するよ。みんなに示しがつかないからね。ほら、行くよ！」